安全第一を徹底し、従業員全員が安心して健康に働くことのできる環境づくりに力を入れる古河AS。労働安全衛生マネジメントシステムISO45001を取得し、国内外を問わず全生産拠点において、世界共通の基準で安全管理に取り組んでいます。
今回はそんな安全活動の一環で行われるグローバルイベントについてご紹介。2024年6月のグローバルウィーク内で開催され、5ケ国6チームが参加した「第7回グローバル安全発表会」の様子をレポートします。

互いを思いやるあいさつがつなぐ安全への意識


「ご安全に!ご健康に!」

これは古河AS内で、お互いの安全と健康を思いやるあいさつとして浸透している言葉です。一般企業で「お疲れ様です」というあいさつが交わされるのと同様に、古河ASではこの「ご安全に!ご健康に!」が当たり前のようにいつでも飛び交っています。

古河ASは2024年4月現在、国内27拠点、海外12ケ国24拠点とグローバルに事業を展開しています。国内の自動車メーカ様に提供する自動車部品のワイヤハーネスや各種電装備品を国内外の拠点で製造しており、従業員数は日本を含めたグループ全体で45,000人以上に及びます。

「ご安全に」は世界各国の言葉に翻訳され、全拠点で共有のあいさつとして使用されており、英語の「Safety First」の通り、常に何よりも安全第一で全従業員が安心して働けるよう、様々な安全活動に取り組んでいます。

各拠点の安全活動を発表し、横展開する「グローバル安全発表会」

古河ASで毎年開催される一大イベント「グローバルウィーク」。世界中の拠点から代表者が集まり、数日にわたって「安全」「品質」「技能」「生産」に関する4つのイベントが開催されます。今回はその中から「安全」のカテゴリである「グローバル安全発表会」についてご紹介します。

「グローバル安全発表会」は、各拠点で実施した様々な安全活動とそれを通じて得られた成果について、代表者がプレゼンテーションを行う場です。優れた事例を各拠点で共有することで横展開に役立て、古河AS全体の安全活動の底上げや活性化につなげることを目的として開催しています。

回を重ねるごとに活動内容や発表のレベルが上がっており、各拠点での安全への意識の高まりが窺い知れる充実したイベントとなっています。

「第7回グローバル安全発表会」の様子をレポート

2024年6月19日、古河AS本社で第7回グローバル安全発表会が開催されました。

今年は、中国、ベトナム、タイ、フィリピン、日本の5ケ国から、事前に各エリアで開かれた予選を勝ち抜いた計6チームが参加しました。

まずは拠点ごとに現状把握から課題の洗い出しを行い、安全活動のテーマ・目標を設定し、活動を行い、その結果を検証します。これら一連の流れを資料にまとめ、発表会当日は審査員を務める古河ASの幹部陣を前にプレゼンテーションを行います。

テーマの大きさや難易度、活動に至るまでの分析や手法、そしてその活動が古河ASの安全活動にどのように貢献できるかなどの観点から厳正に審査され、発表者や資料の表現力なども考慮の上で、上位3チームと特別賞が表彰されます。

審査で特に重視されるのが、「安全3本柱」を実践できているかという点です。安全3本柱とは古河ASが掲げ大切にしている社内用語で、安全活動の軸となる3つのポイントのことを指します。
[安全3本柱]
  ① 安全人間化 … 安全意識の高い人、怪我をしない人を育てる
  ② 本質安全化 … 怪我をしない環境を整える
  ③ 安 全 管 理 … 総合的なマネジメント、安全管理を強化する

グローバル安全発表会は、今回のグローバルウィークの中で最初に開催されたイベントだったこともあり、発表前は皆さん揃って硬い表情。しかしプレゼンテーションがはじまると、それぞれの拠点で取り組んできた活動について緊張しながらも堂々と伝える姿が見られました。

動画を使って説明するチームや、台本を見ることなく完璧に暗記して挑んだチームなど、チームごとの特色が現れた発表に。
拠点ごとに異なる着眼点から設定された活動テーマも、「倉庫エリアの安全リスク改善」「危険リスク排除のための安全設備と作業の改善」「金型交換・セット工程改善」「工場内安全レベルのアップ」「重量物作業の負荷低減」など様々です。参加チームの皆さんが他拠点の発表を真剣な表情で聞き入っている姿が印象的でした。

発表後は質疑応答の時間が設けられ、審査員から温かい感想の言葉が贈られたり、時には鋭い質問が投げかけられたりする一面も。

すべてのチームの発表が終わり、審査員による別室の審査の間はしばし休憩。先ほどまでの緊張感から解き放たれ、会場の空気も一気に和やかに。皆さんリラックスして思い思いに交流していました。

審査員も舌を巻いた優勝チームの発表

そして、いよいよ結果発表です。
3位から順にチーム名が読み上げられ、坂本社長より賞状が授与されました。

今回の優勝チームはワイヤハーネス用の電線をつくる電線工場でした。活動内容は作業内でのカッター刃の使用を排除し、安全レベルを向上するというもの。ワイヤハーネスは手作業が多く、カッター刃を使う工程をなくすことはなかなか難しいという課題がありました。そこで、従来使用していたカッター刃の代わりとなる作業工具を自分達で作ったり、設備を改善、開発するなどの活動を行ったところ、見事、危険リスクを排除し、大幅な安全レベルの向上を達成。これらの活動の経過を、動画を用いてプレゼンテーションしました。

柔軟な発想、目に見える成果、わかりやすいプレゼン内容、すべてにおいて高い評価を受け、審査員からは「自前で治具を工夫したり制作したりして解決した点がすばらしい」「まさに本質安全化だ」などの称賛コメントが寄せられました。受賞コメントでは「ぜひ横展開したい」と力強く活動への思いが語られました。

同じ安全意識で働く仲間が世界にいる

グローバル安全発表会は今回も充実したイベントとなり、海を越えて同じ安全意識で働く仲間がいるということを互いに実感できる機会となりました。

グローバルに展開し、拠点も数多く構える古河ASですが、安全に関する取り組みは決して拠点任せにはしません。より良い製品をつくるためには労働災害をゼロにし、各拠点の全従業員が安心して健康に働くことのできる環境づくりが重要であるという考えをのもと、これからも会社全体で一丸となって安全活動に力を注ぎ取り組んでいきます。

おわりに

今回はグローバル安全発表会についてご紹介しました。
古河ASは今後も国内外の全拠点が連携し、安全・健康への取り組みを推進していきます。